夏休みに入り、願書の作成を始められているご家庭も多いのではないでしょうか。
毎年この時期になると、
「願書は何から書き始めればよいですか?」
「子どものエピソードがまとまりません。」
「学校ごとに内容を変えた方がよいのでしょうか。」
といったご相談を数多くいただきます。
願書は、お子さまの長所を並べる「作文」ではありません。
学校が知りたいのは、「どのようなご家庭で育ち、そのご家庭がどのような価値観を大切にしているのか」、そして「その教育方針が学校の教育理念と合っているか」という点です。
今回は、小学校受験の願書を書く際にぜひ意識していただきたい4つのポイントをご紹介いたします。
① ご家庭の教育方針・お子さまに願う将来像を明確にする
願書を書くうえで最も大切なのが、ご家庭の教育方針です。
まずは、
- 将来どのような人に育ってほしいのか
- そのためにご家庭で何を大切にしているのか
を整理してみましょう。
例えば、
- 思いやりを持ち、周囲を大切にできる人
- 自ら考え、主体的に行動できる人
- 感謝の気持ちを忘れず、社会に貢献できる人
など、ご家庭が大切にされている価値観を言葉にすることが大切です。
この軸が定まることで、その後に書くエピソードや志望理由にも一貫性が生まれます。
② 日々の関わりと具体的なエピソードを書く
教育方針だけを書いても、学校には十分伝わりません。
大切なのは、
「その教育方針を日常生活の中でどのように実践しているのか」
を具体的に伝えることです。
例えば、
- 家族でどのような会話を大切にしているか
- 休日をどのように過ごしているか
- お子さまが挑戦した経験
- 失敗から学んだ出来事
- 成長を感じた日常の一場面
など、実際のエピソードを書くことで、ご家庭らしさが自然と伝わります。
願書に必要なのは、「特別な経験」ではありません。
毎日の生活の中で積み重ねてきた関わりこそが、ご家庭の教育そのものです。
学校側は、そのような日常の積み重ねから、ご家庭の価値観やお子さまの人柄を感じ取っています。
③ 学校説明会・学校見学で感じたことを自分の言葉で書く
志望理由では、学校案内やホームページに書かれている内容をそのまま並べるだけでは、他のご家庭との差別化は難しくなります。
学校説明会や見学会に参加された際には、
- 校長先生のお話で印象に残ったこと
- 教育理念に共感した点
- 子どもたちの生き生きとした様子
- 先生方の温かいご対応
- 学校全体の雰囲気
など、「実際に見て、感じたこと」をご自身の言葉で表現しましょう。
さらに、
ご家庭の教育方針と学校の教育理念がどのようにつながるのか
まで書くことができれば、志望理由に説得力が生まれます。
学校側も、「このご家庭は本校をよく理解したうえで志望してくださっている」と感じることができるでしょう。
④ 最後は「この学校で学ばせたい」という熱意で締めくくる
願書の締めくくりでは、
「ぜひこの学校で学ばせたい」
という強い思いを丁寧に伝えましょう。
学校側は毎年、多くの願書を読みます。
その中で印象に残る願書は、「なぜこの学校なのか」が明確に伝わる願書です。
単に、
「教育方針に共感しました。」
で終わるのではなく、
「だからこそ、この学校で学ばせたい。」
という思いまでしっかりと伝えることが大切です。
熱意は長い文章ではなく、ご家庭の率直な言葉から伝わります。
最後に
願書は、お子さまの経歴を書く書類ではありません。
ご家庭の教育方針
↓
日々の関わり・具体的なエピソード
↓
学校説明会や見学会で感じたこと
↓
この学校で学ばせたいという強い志望理由
この流れを意識するだけで、文章全体に一貫性が生まれ、ご家庭らしさが伝わる願書になります。
また、願書は面接にもつながる大切な資料です。
面接では、願書に書かれた内容について質問されることも少なくありません。そのため、無理にきれいな言葉を並べるのではなく、ご家庭の言葉で自然に語れる内容にすることが大切です。
願書は一日で完成するものではありません。
ご家庭で改めて教育方針を話し合い、お子さまとの日々を振り返りながら、一つひとつ丁寧に言葉を紡いでいきましょう。
ご家庭らしさが伝わる願書は、お子さまの魅力だけでなく、ご家庭の温かさや教育への思いも学校へ届けてくれます。


