夏休みが終わり、入試が近づいてくるこの時期。
「夏期講習をあれだけ頑張ったのに、最近、問題が解けなくなった」「以前できていたことを間違えるようになった」といったご相談をいただくことがあります。
実は、夏休み以降に一時的なスランプに陥るお子さまは、決して少なくありません。
夏の暑さによる疲労に加え、連日の夏期講習や家庭学習。普段とは異なる生活リズムの中で、子どもたちは想像以上に頑張っています。
その疲れが、夏休みを終えた頃になって表面に出てくることがあります。
この時に大切なのは、「できなくなった=力が落ちた」とすぐに判断しないことです。
疲れている時には、集中力が続かなかったり、普段なら間違えない問題でミスをしたり、分かっているはずのことが思い出せなかったりすることがあります。
そんな時は、さらに勉強量を増やすのではなく、まず一度立ち止まって、お子さまの心と身体の状態を見てあげてください。
そして、時には思い切って勉強から離れ、思いっきり遊ぶ時間をつくることも大切です。
公園で身体を動かす。
家族で出かける。
好きな遊びを思う存分する。
何も考えずにゆっくり過ごす。
「こんな時期に遊んでいて大丈夫?」と不安になるかもしれません。
けれど、休むことは決して後退ではありません。
心身がリフレッシュすると、表情が明るくなり、集中力が戻り、また自然と机に向かえるようになることもあります。
もちろん、長期間学習から離れるということではありません。
毎日の生活の中で最低限の基礎を続けながら、意識して「息抜きの時間」をつくる。
そして、学習するときには、難しい問題ばかりを与えるのではなく、以前できていた問題や、少し頑張ればできる問題を取り入れ、「できた」という感覚を取り戻してあげることも大切です。
小学校受験では、入試直前まで新しいことを詰め込むことよりも、これまで身につけてきた力を、本番で安定して発揮できる状態に整えていくことが大切です。
入試が近づくほど、親御さまも焦りを感じる時期です。
「今のままで大丈夫なのだろうか」
「周りのお子さんはもっとできているのではないか」
そう思ってしまうのも無理はありません。
でも、子どもたちはここまで十分に頑張ってきています。
だからこそ、この時期は「もっと頑張らせる」だけではなく、しっかり休ませる、思いっきり遊ばせる、笑顔を取り戻すことも大切です。
スランプは、後退ではなく、ここまで頑張ってきた子どもが少し休むためのサインなのかもしれません。
入試まで残された時間を、焦りだけで埋め尽くさないこと。
お子さまの状態を見ながら、学習と休息のバランスを整え、最後まで「できた」「頑張れた」という気持ちを持って本番を迎えられるように。
この時期だからこそ、学力だけではなく、子どもの心と身体にも目を向けてあげてほしいと思います。



