小学校受験においては、ペーパーの力や巧緻性だけでなく、初めての環境や相手にどう対応するか、自分の考えや気持ちを臆せず伝えられるかといった、社会性や柔軟性も大切な評価ポイントとなります。
特に「行動観察」では、こうした力が如実に表れます。だからこそ、夏休みなどの長期休みを活かし、いつもと違う環境に身を置く経験を意図的に増やしていくことが非常に効果的です。
普段通っているお教室では顔なじみの友だちや先生に囲まれて安心感がある分、自分の力を発揮しやすいかもしれません。しかし、実際の入試本番では「初めて会うお友だち」「初対面の先生」「慣れない指示」などに戸惑うお子さまも少なくありません。
だからこそ、他のお教室の体験会や短期講習に参加する、初めての集団に飛び込んで活動してみるといった“武者修行”のような場数を踏むことで、お子さまの中に「どんな場面でもやってみよう」「知らないお友だちとも仲良くできる」という自信と経験が育まれます。
こうした経験は、回数を重ねればそれだけ効果があるというものではなく、1回1回を丁寧に振り返ることが鍵となります。
活動のあとにはぜひ、
「今日はどんなことができたと思う?」
「ここはとても良かったね」
「次はこうしてみると、もっと素敵になりそうだね」
というように、お子さまの“良かったところ”と“次回への課題”の両方を明確に伝えてあげてください。
その際は、叱ったり注意したりするのではなく、あくまでも前向きなフィードバックを意識することが大切です。
お子さま自身が「今日はこれができた」「次はこうしてみよう」と自分で気づくようになってくると、行動観察の場でも自然と主体的に動けるようになってきます。
このように、「経験→振り返り→次の目標」のサイクルを重ねていくことが、お子さまが一皮むけるきっかけとなり、本番でも力を発揮できる土台づくりにつながっていきます。
この夏、お子さまが大きく変われる夏になりますようにお祈りしております。