小学校受験では、「知識」だけでなく、「自分の考えを伝える力」もとても大切にされています。面接や行動観察、口頭試問の場面では、子どもがどのように自分の気持ちや考えを表現できるかが見られています。
特に近年では、「思考力」「表現力」「主体性」が重視される傾向が強くなっています。ただ正解を答えるのではなく、「なぜそう思ったのか」「どうしてその方法を選んだのか」といった“自分の理由”を言葉にできる子が評価されやすくなっているのです。
例えば、
•「どうしてこの絵を選んだの?」
•「このお話の続きを考えてごらん」
•「この絵は何をしている絵だろう?」
こうした問いに対して、しっかりと自分の言葉で答えるには、日頃からの対話が欠かせません。親子の会話の中で、
「あなたはどう思う?」
「どうしてそう考えたの?」
と問いかけてみるだけでも、子どもの思考は少しずつ深まっていきます。
もちろん最初からうまく話せる必要はありません。むしろ大人が「正しい答え」に導こうとせず、子どもなりの視点や感情を大切にしてあげることが、自信につながっていきます。
お教室では、「自分の考えを話す練習」として、絵本の感想を言ったり、簡単なディスカッションをしたりする活動も取り入れています。言葉にする経験を積むことで、表現する力は自然と育っていくのです。
受験だからといって、「正しい答え」ばかりを追い求めないこと。
その子らしい「考え」を、丁寧に聞いてあげること。
それが、合格につながる“土台”になるのだと、私は感じています。